ア・ラ・モード
| ■ 江國香織「ウエハースの椅子」 [2001年01月29日(月)] | |
| 私がこの人の話を読んでいつも思うことは、「ああ、なんで子供の頃の風景をこんなに鮮やかに覚えているんだろう。なんでこんなにはかなく描けるんだろう」ということなのです。今回もそうで、それをいちばん的確に表しているのがタイトル「ウエハースの椅子」ということばでした。 もろくて壊れやすいひとの気持ち、ひととひとのつながり。ゆるやかに流れる時間の中で、 いつか壊れることを覚悟しながらつき合っていく関係。 本当は、みんなこういう恐怖は抱いていると思うんだけれど、だけどこれだけ静かに描かれるとじわじわと来る。最後が少し救いだった。誰も居なくなるなんてないと思いたい。 江國香織「ウエハースの椅子」 角川春樹事務所 2001年2月8日 初版発行 |